OOHとは?種類やメリット、DOOHとの違いから掲出の流れまで徹底解説

Web広告の競争が激化する中で、新たな認知拡大の手段としてOOHが再び注目を集めています。この記事では、OOHの基本的な定義から具体的な種類、導入するメリットについて詳しく解説します。読み終わると、自社のマーケティング施策としてOOHをどのように活用すべきか、具体的に検討できるようになります。
OOHとは?
OOH(オーオーエイチ)とは「Out of Home(アウト・オブ・ホーム)」の略で、家庭以外の場所で生活者に接触する広告メディアの総称です。
おもに電車や駅、空港、バス等の公共交通機関に設置されるメディアは「交通広告」といい、街ナカや商業施設などに設置されているメディアを「屋外広告」といいます。
古くは紀元前にまでその起源が遡るといわれており、数ある広告の中でも特に歴史のある広告の一つといえます。
OOHの主な種類
OOH広告には、生活者の移動動線やライフスタイルに合わせた多種多様な媒体が存在します。大きく分けると、電車や駅施設を活用する「交通広告」と、街中のビル壁面や大型ビジョンなどを活用する「屋外広告」の2つに分類されます。ここではOOHの主な種類について解説します。
交通広告
交通広告とは、公共交通機関や駅施設を利用して展開される広告メディアです。通勤や通学で日々利用する生活者にアプローチできます。
駅メディア
主に各駅に貼られている駅ポスターや、駅看板などがあげられます。
1駅毎に短期で掲出できるポスターや、駅の外壁に大々的に掲出できる大型広告枠、主要駅ネットワークポスターメディア等、さまざまな種類が存在します。

【東京メトロ 半蔵門線 渋谷プレミアムセット】昼夜問わず人通りの多いエリアで約30mに渡って壁面をジャックできる大型ポスターメディアです
車両メディア
車両内中央部に掲出される中づり、まど上広告や、側面部に設置されているドア横ポスター・ステッカーなどがあげられます。
車両空間に掲出されるため、強制視認性、広告接触率が高いOOHとして位置付けられています。

【JR東日本 中づり 山手線】電車車内の天井部より掲出される広告。公共交通機関を利用する多様なオーディエンスにメッセージを届けられる王道OOHです。
デジタルメディア
デジタルサイネージ(DS)は、表示や通信にデジタル技術を活用してディスプレイに映像や文字を表示する広告媒体を指します。
主には電車内車両ドア上に設置された横型のサイネージメディアや、駅の改札口付近に設置されている縦長メディア等があげられます。
動的な広告表現が可能であり、さまざまなクリエイティブを放映できることから、非常に人気のあるメディアです。

【JR東日本 新宿ウォール456】JR新宿駅東西自由通路に設けられている国内最大規模45.6mのLEDデジタルサイネージ
なお、周辺の柱にある設置されたJ・ADビジョンと連動させ、空間全体をジャックできる「プレミアム+(プラス)」も用意されています。
屋外広告
屋外広告とは、街中のビル壁面や商業施設など、屋外の空間に設置される広告メディアの総称です。巨大なビルボードやスクランブル交差点の大型ビジョンのように、インパクトのある展開で広く認知を集められるのが特徴です。ほかにも、アドトラックやイベントスペース、店舗内のインストアメディアなども含まれます。
ビルボード
渋谷等の主要街のビル壁面・屋上部分に掲出されるメディアの総称。
2週間単位で販売されている短期メディアや年間単位で販売されている長期メディアがあります。
大型フォーマットで常時広告露出できる点が特徴で、企業のキャンペーン告知やブランディング、店舗誘引等の目的として利用されています。

【道頓堀MMBボード】大阪グリコの看板のはす向かいのプレミアムロケーションに設置されている333㎡を誇る超大型OOHメディアです。
ビジョン
渋谷のスクランブル交差点前に構える大型ビジョンが例として挙げられます。
音声放映も可能なメディアが多く、映像+音声で来街者に対して広告訴求が可能です。
最近では3D映像を用いた広告展開も多く、映像素材を用いたユニークな広告展開が増えています。

【渋谷シンクロ放映】スクランブル交差点に面したデジタルサイネージで複数面同時放映するプランです
広告宣伝車(アドトラック)

【ロンドンバス】迫力抜群の大型車体広告です。視認者へ対して強い印象を残せるほか、乗車イベントで話題性のある体験を提供することができます。
イベントスペース
駅や屋外商業施設の一角で実施できるイベント専用のスペース。
飲料や試供品のサンプリング、タッチ&トライのイベント等、来街者へ対してさまざまな広告体験を提供できます。
また、ポップアップスペース(数日〜数週間程度の期間限定で開設されるショップ)としての利用も可能で、ビル一棟を独占してイベント活用できるスペースなども注目を集めています。

【ZeroBase渋谷】渋谷中心街に構えるpop-upイベントスペース。ビル1棟を1社でイベント利用可能。屋上にはビジョンも設置されており、イベント+OOHの相乗展開ができます。
【ZeroBase表参道】表参道の青山交差点近くに面する、ビル施設1棟をイベント使用できる大型ポップアップスペース 物販・飲食展開も利用できる自由度の高いイベントスペースです。
インストアメディア
レストラン、スーパーマーケット、映画館、商業施設内で広告活用できるメディアの総称。
レストランの卓上テーブルステッカーやスーパーのレジ裏広告、映画館の本編が始まる前にCM放映できるシネアド等、施設毎に様々な広告設定がなされています。

【レストラン店内デジタルサイネージ】店内滞在時間内に広告訴求できるOOHです
OOHとDOOH(デジタルOOH)の違いとは?
街頭の広告を見渡すと、ポスターや看板だけでなく、映像が流れる電子ディスプレイが増えていることに気づくでしょう。こうしたデジタル技術を活用した新しい形の屋外広告をDOOHと呼びます。ここでは、アナログOOHとDOOHの違いについて詳しく説明します。
| 比較項目 | アナログOOH | DOOH(デジタルOOH) |
|---|---|---|
| 広告枠 | 一社買切 | 1社買切の場合と、複数社で共有の場合がある |
| 内容の変更 | 物理的な張り替え作業が必要 | データ素材のみで差し替え可能 |
| 環境への連動 | 常に同じ内容を表示し続ける | 天気や時間帯に合わせて表示内容を切り替えられる場合がある |
DOOH(デジタルOOH)の定義
DOOHとは「Digital Out of Home」の略称であり、デジタルサイネージ(電子看板)を利用した屋外広告のことを指します。これまではシートや紙に印刷したものを壁に貼ったり、パネルを設置したりするのが一般的でした。しかし、ディスプレイや配信技術の進化と低価格化に伴い、街の至る所に電子スクリーンが設置されるようになりました。DOOHの利点は、動きのある映像や音声を組み合わせて、より豊かな表現ができることです。ポスターの印刷や張り替えといった物理的な作業が発生しないため、複数の広告主で同じ画面を順番にシェアするといった柔軟な運用が可能になっています。
OOHのメリット・特徴
OOH広告には、4マス広告やWeb広告にはない独自の強みがあります。大型フォーマットによる圧倒的なインパクトや、通勤・通学など日常の移動に伴う反復訴求が可能です。また、購買行動に近い場所でのアプローチや、SNS拡散による二次的な波及効果が期待できる点も大きな魅力です。ここではOOHのメリット・特徴について解説します。
大型フォーマットで大きなインパクトを訴求できる
大きな特徴の一つは、大型フォーマットで広告掲出できる点です。圧倒的な大きさによるサイズ感で広告を掲出する事で、インパクトと高い視認効果が期待できます。4マス広告やデジタル広告と大きく異なる優位ポイントといえます。
繰り返して訴求できる
OOHはフリークエンシー(接触頻度)の高い広告メディアです。
特に交通広告は通勤・通学・買い物など移動のプロセス内で接触できるメディアとなり、高い反復訴求効果が期待できるメディアとなります。
購入ロケーションに近い接点で訴求できる
外出先や移動中、立ち寄った店舗内で訴求できるため、商品の購買効果に寄与するメディアである事も特徴の一つです。
SNSとの親和性が高い
他のメディアと異なりユニークな展開を実施しやすいOOHは、広告を見た人が興味を持って撮影し、SNSで共有する事で拡散効果を見込む事ができるメディアです。
OOH掲出の流れ
OOH広告を実際に掲出するためには、事前の計画から実際の掲出までにいくつかのステップを踏む必要があります。媒体の種類や規模によって必要な期間は異なりますが、一般的な流れを把握しておくことでスムーズに進行できます。ここでは、OOH広告を掲出するまでの基本的な手順について解説します。
| ステップ | 内容 | 目安となる時期 |
|---|---|---|
| 1.目的・ターゲット設定 | 広告の目的や対象となる人物像を決める | 掲出希望時期の3〜6ヶ月前 |
| 2.媒体選定・空き確認 | 条件に合う広告枠を探し、空き状況を調べる | 掲出希望時期の2〜4ヶ月前 |
| 3.申し込み・デザイン審査 | 広告枠を確保し、デザインの事前審査を受ける | 掲出希望時期の1.5〜2ヶ月前(媒体によっては3~4ヶ月前のケースもあり) |
| 4.データ入稿・製作 | 完成したデザインを提出し、入稿作業や印刷を行う | 掲出希望時期の3週間〜1ヶ月前 |
| 5.掲出 | 実際に広告が公開され、人々の目に触れる | 掲出期間中 |
目的とターゲットの明確化
まず、広告を出す目的とターゲットを明確にすることが重要です。新商品の認知度を上げたいのか、特定店舗への来店を促したいのかによって、選ぶべき媒体が大きく変わります。
また、どのような属性の人に見てほしいのかを具体的に絞り込むことも重要です。年齢層や性別、普段どのような場所を行き交う人たちなのかを詳細に設定します。この土台作りをしっかりと行うことで、費用対効果の高いOOH広告の展開が期待できます。
媒体の選定と空き状況の確認
目的とターゲットが決まりましたら、次に条件に合う具体的な広告媒体を選定します。駅のポスターや屋外の大型ビジョンなど、目的に適した場所とフォーマットを絞り込んでいきます。当社では空き状況の確認や絞り込んだ候補のご提案が可能です。人気の高いエリアや時期は早くから枠が埋まってしまうため、早めに確認することをおすすめします。さらに、この段階で予算に収まるかどうかの見積もりも合わせて取得しておきます。
申し込みとデザイン審査
希望する媒体の空きが確認できましたら、正式に申し込みを行って広告枠を確保します。枠を確保した後は、媒体社によるデザインの事前審査へと進みます。OOH広告は公共の場に掲出されるため、屋外広告物条例などの法令や、各交通機関の独自の基準を満たす必要があります。
審査には数日から数週間かかる場合があるため、スケジュールには十分な余裕を持たせておくことが大切です。もし修正の指示が入った場合は、速やかにデザインを調整して再提出します。
制作・入稿と掲出開始
審査が無事に通過しましたら、いよいよデザインの最終データを完成させて入稿します。ポスターや看板などのアナログ媒体を利用する場合は、ここから印刷や加工作業が行われます。デジタルサイネージの場合は、指定のフォーマットに合わせて動画や静止画のデータ形式を整えます。
入稿期日は媒体ごとに定められており、遅れると予定通りに掲出できない場合があるため注意が必要です。すべての準備が整いますと、あらかじめ決められたスケジュール通りに広告の掲出が開始されます。
まとめ
この記事で解説した、OOH広告に関する重要なポイントをまとめます。
- OOHは家庭外で接触するメディアの総称であり、主に交通広告と屋外広告に分類される
- 天候や時間などのデータと連動して柔軟に配信できる「DOOH」の活用が進んでいる
- インパクトのある視認性や反復訴求力に加え、SNS拡散による二次的な波及効果が期待できる
- 実際の掲出にあたっては、媒体選定からデザイン審査まで計画的なスケジュール進行が求められる
自社の目的やターゲットに最適な媒体を選定し、新たなマーケティング施策としてOOH広告の導入を進めていきましょう。
