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距離が縮まるノスタルジア・マーケティング

■ノスタルジア・マーケティングとは

過去に存在した、肯定的、且つポジティブな思い出や親近感のあるコンセプトやものを利用して新しい発想や商品につながりを持たせ、企業の広告やサービスに結びつける手法と言われている。

■OOH事例紹介

先日、イベントスペース「UNKNOWN HARAJUKU (アンノン原宿)」にて、メルカリの期間限定の没入型施設イベント「ウチの実家」が開催された。

施設の中に一歩踏み込むと、メルカリで出会えるもので構成された、昭和レトロの生活感あふれる家具や小物が所狭しと並び、祖父母が健在だっだ幼少期の楽しい記憶がよみがえった。

懐かしいものや家具

イベントのコンセプトは「身近にある不用品に価値を見出す。」

年末の大掃除でもの減らすための試みとした、大掃除が差し迫るこの時期にぴったりのイベントだ。

さらに、このイベントの楽しめたところは「ウチの実家」というタイトルどおり、施設の中は実家設定であり初めて出会う父母役が出向かえてくれる。

来場者は自動的に子供役に徹し、「ただいま」「おかえり」「元気だったか?」などの会話が飛び交う、『疑似家族』体験が繰り広げられるところだった。

父母役が出迎える

気恥ずかしさもあり戸惑うが、どこか懐かしくもあり、その風景は実家の大掃除=出品意欲を芽生えさせる。

恐らく、シンプルに企業の思惑通りに心が動いた日となった。

企業は新しい商品、サービスを売るため、日々あの手この手で宣伝する。

「この新商品は便利でよいものです。」と一方的なアピールよりも、慣れ親しんだものが共存している懐かしい世界感は、一気に距離が縮まり自然と感情が動き、色々知りたくなる。ノスタルジア効果は万能だ。

慣れ親しんだ風景

そして「ウチの実家」というコンセプトに合った、イベントスペース「UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿)」が『入りづらさ』のハードルを下げ、来場者の興味を一層引きつけたのだろうと想像した。

UNKNOWN HARAJUKU(アンノン原宿)